ギター初心者がつまずきやすいリズム感の鍛え方

メトロノームを使いながらギターを練習する写真

エスギター教室の皆さんもそうですが、意外な落とし穴が「リズム感」です。コードを覚える、左手の押さえ方を練習する、ストロークを練習する——とやることは山ほどありますが、多くの初心者が見落としがちなのが「リズム感を鍛える」というプロセスです。音を間違えても弾けなくてもなんとかごまかせることはありますが、リズムがずれてしまうと演奏自体がバラバラに聞こえてしまい、聴いている人にもすぐにわかってしまいます。
実際に、当ギター教室に通っている生徒さんの中でも、「コードは押さえられるようになったけど、うまく曲に合わせて弾けない」「一緒に弾いてるつもりなのに、先生と合わない」といった悩みを抱える方は少なくありません。これはリズム感に問題があるケースがほとんど。
では、リズム感とは何なのか?ざっくり言えば、「拍(ビート)を正確に感じ取り、その流れに乗って音を出せる感覚」です。そしてこれは、持って生まれた才能というよりも「後から鍛えられる能力」です。
たとえばダンスやスポーツと同じで、最初はタイミングがずれてしまっても、意識して練習することで確実に上達します。しかもギターの場合は、メトロノームやリズムマシン、スマホアプリなど、リズムを鍛えるためのツールが豊富にあります。
リズム感がない=ギターが弾けない、ではありません。リズム感が不安な人ほど、そこをしっかり強化してあげることで、一気に演奏力がアップするのです。

リズム感を鍛えるための具体的な練習方法

リズム感は意識して練習すれば、誰でも確実に向上します。ここでは、当スクールでも初心者におすすめしているリズム練習法をいくつか紹介します。どれも特別な道具や高度な技術は必要ありません。家でも、ちょっとした空き時間でもできる内容なので、ぜひ試してみてください。

メトロノームを使って手拍子をする

    まずはギターを持たずに、リズムを体で感じるトレーニングから始めましょう。

    メトロノームを60〜80BPM(テンポ)に設定し、鳴る音に合わせて手拍子をします。

    ただ「音に合わせる」のではなく、「次の音を予測しながら拍を刻む」こと。実際の演奏では、常にリズムを先読みする感覚が重要になります。

リズムパターンに合わせてコードを弾く

慣れてきたら、簡単なコード(たとえばG→C→Dなど)を使って、リズムに合わせて弾いてみましょう。

最初は4分音符で「ジャーン、ジャーン」と刻むだけでもOK。大切なのは、リズムがブレないこと。

曲に乗ってくると、無意識に速くなったり遅くなったりすることがありますが、それを防ぐためにメトロノームは常につけておきましょう。

実際のギターを使ったストローク練習

ここでは、具体的なストローク練習を紹介します。下記のようなパターンでリズム練習を行ってみてください。

練習パターン例

  • テンポ:70BPM(メトロノーム使用)
  • コード進行:G → C → D → G

ストロークパターン

  • Down(↓) Down(↓) Up(↑) Up(↑) Down(↓) Up(↑)

メトロノームに合わせて、1小節に1コードを当てはめ、上記のストロークパターンで弾いてみましょう。

ストロークの方向やタイミングがずれやすい箇所を録音して確認すると、自分のクセも見えてきます。 慣れてきたら、テンポを少しずつ上げたり、8ビートや16ビートに応用してみるのもおすすめです。

リズム練習アプリを使う

最近では、スマホで使える便利なリズム練習アプリがたくさんあります。

たとえば「Metronome Beats」「Soundbrenner」「Rhythm Trainer」など。

これらを使えば、テンポや拍子を自在に変えながら練習できますし、視覚的にリズムを確認できるのも初心者には助かるポイントです。

他人と合わせる練習をしてみる

最初は一人で練習するのが基本ですが、ある程度できるようになったら、他人と一緒にリズムを合わせる練習もしてみましょう。

これは、実際のセッションやバンド演奏でとても大事な力になります。スクールでは講師と一緒に演奏する「リズム合わせ練習」も取り入れていますが、これを繰り返すことで驚くほどリズム感が安定してきます。

リズム練習におすすめの楽曲3選

実際の楽曲を使ってリズムを体で覚えることも、非常に効果的です。以下は、初心者でも取り組みやすく、リズムの基礎を鍛えるのに適した3曲です。

  1. 『Stand By Me』 - Ben E. King
  2. テンポはゆったりで、コード進行もシンプル。4分音符や8ビートのリズムを安定して弾く練習にぴったりです。

  3. 『Let It Be』 - The Beatles
  4. コード進行も簡単で、ゆったりしたテンポ。ストロークの安定感を養うにはうってつけの一曲です。

  5. 『カントリーロード』
  6. ジョン・デンバー / ジブリバージョンも可 日本語でも英語でも取り組める定番ソング。

    8ビートの基本ストロークでリズムキープを意識しながら練習しましょう。

    いずれもYouTubeなどで音源が手軽に手に入るので、原曲に合わせて練習するのもおすすめです。

リズム感がつくとギターはもっと楽しくなる

リズム感が安定すると、ギターの楽しさが一気に広がります。

たとえば、今まで「なんとなく音を出していた」コード進行が、「曲として成立する」ようになります。周囲の人と一緒に演奏するのも楽しくなり、自信を持って弾けるようになります。 エスギター教室の生徒さん(40代・男性)は、最初は「コードチェンジも苦手」「リズムもズレる」と悩んでいましたが、2ヶ月間リズムトレーニングに集中したところ、今ではテンポキープもできるようになり、「自分の演奏が音楽になってると感じられる!」と喜んでいました。

また、リズム感があると、ジャンルの幅も広がります。ロック、ポップス、ファンク、ボサノバ——どんなジャンルでもリズムは土台。逆に、リズムが不安定だと、上達が頭打ちになります。 ギターのテクニックや知識ももちろん大事ですが、リズムはそれを支える「地盤」です。この地盤がしっかりしていれば、上にどんな演奏力を積み重ねても崩れることはありません。 これからギターを始めたい人、過去に挫折してしまった人も、まずは「リズム感」という視点を持って練習してみてください。遠回りのように見えて、これが一番の近道かもしれません。

まとめ:リズム感を鍛えて楽しく演奏しよう!

ギターは「鳴らす」ことも大切ですが、「タイミングよく鳴らす」ことで、はじめて音楽になります。

リズム感を鍛えることで、ギターの演奏が格段に気持ちよくなり、聴いている人にも伝わる演奏ができるようになります。 「自分にはリズム感がないから無理かも……」と感じている方ほど、正しく練習すれば驚くほど変わります。まずはできることから、一歩ずつ始めてみましょう。

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